
マンションからオフィス、会議室、そして病院、学校などの設定まで幅広く対応できる施設が揃うOLS
―2007年8月からOLSがロケの受け入れを始められているわけですが、その目的とは何なのでしょうか?
「現在、オリックス不動産が管理するマンション・研修施設などの施設をご紹介しています。施設を撮影に提供しドラマや映画などの作品が撮影された事実を、一般向けに2次利用させていただき、オリックス不動産そして企業全体のイメージアップを図ることが大きな目的です。“窓口を開くのであれば徹底した対応を”、ということでロケーションサービスを行っています。」
―最近ではどんな問合せが多いのですか。
「最近、タイトな撮影スケジュールや、制作費の削減についての声をよく耳にします。そういった影響からか、飾り込みの必要がないマンションのモデルルームのような施設のニーズが以前よりも高まったと感じています。こちらとしてもモデルルームをそのまま使用していただけますし、それは非常にありがたいことですね。」
いろんな設定で撮れる! 各施設の充実した撮影ポイント
―現在(2009年9月の時点)、主に4つの施設を紹介されていますが、それぞれの人気の撮影スポットを教えてください。
「まず研修施設の“クロス・ウェーブ府中”は、建物全体が10階建ての吹き抜け構造で見栄えが良いと好評です。吹き抜けの広いアトリウムのほか、研修室、会議室、大ホール、あとは宿泊フロアもありますので病院やホテル、大学と幅広い設定できるところがポイントですね。
次に“グッドタイムリビング千葉みなと”という高齢者向けの住居、老人ホームをご紹介しています。外観が非常にオシャレで高級マンションやホテルのように見え、各お部屋にも病院のような設備が整っています。あとは緑のある中庭での撮影もオススメですね。
高級マンションの“ドレシア上池袋”と“THE TOWER KOISHIKAWA”は、それぞれ数タイプのモデルルームとエントランスホールに外観など、ロケ場所の交渉が難しいマンション全体を提供できるということで人気です。
特に“ドレシア~”は、窓抜けが良いため22階の角部屋のお問合せが非常に多いですね。サンシャイン池袋など都心の夜景を一望できるのが最大の魅力のようです。ほかにも周辺の通路、駐車場、エントランス前の車寄せなど敷地自体が広いので、すべてを1日で撮影できることもポイントです。
“THE TOWER~”もエントランスが広く、シャンデリアと暖炉が付いており海外の最高級ホテルのロビーのような使い方もできますね。」
ロケの専属スタッフだからこそ。リピーターを呼ぶハイレベルな対応
―OLSの情報を見て、どのように問合せすると良いのですか?
「施設の情報は“ロケなび!”に掲載されていますので、まずそこから問合せをいただきます。企画書などの内容から各施設の担当やオリックス不動産の責任者と受け入れOKか判断した上で、スケジュールの調整を行い、ロケハンの案内→当日の撮影立ち会いをするという流れになります。専属の担当者として私がいますので、1つの窓口でいろいろと確認できたり、話を進める事が可能です。
いずれにせよ問合せの最初の段階で、しっかりと(上記のことを)確認させていただくことがスムーズに進行できる秘訣です。」
―他に最初に心がけられている、工夫されていることはありますか?
「各施設の条件面での基本的なルールを事前に決めておくことですね。どこまでがOKで、どこからがNGかを明確しておくことで、企画書や台本をいただいた段階で希望施設の情報をより詳しくお伝えできますし、撮影当日の急な変更にも柔軟に応えられますからね。
あとは一般の方が利用する施設なので、利用者や住人に迷惑がかからないよう必要最低限のことをしっかりと共有していただいたくことですね。もちろんプロである制作の方々も理解していらっしゃるのですが、その後話に行き違があって制作側の手を煩わすことのないよう、念のための最終確認はとても大事です。」
―効率良く交渉を行えるポイントってあるのですか?
「なるべく、余裕をもって問合せいただけるとありがたいですね。
ただ業界全体で最近スケジュールがタイトになってきていますし、キャストの予定や天候にもよりますが、大体でも良いので「このくらいに撮影を考えています」と先にお話いただけると、よりきめ細やかな調整ができます。 あとは“企画、シーン内容、目的、放送媒体、出演者”など決定している範囲で詳細な情報をお伝えいただけると、できることの可能性も広がります。(イメージアップが目的なので)そういった情報が多い方が私から責任者によりプッシュして交渉ができるんです。」
枠に捉われないサービス、互いのメリットの成立
―なかには予約状況やスケジュールなどで、お断りする場合もあるのでしょうか?
「時期や、曜日によってはやはりスケジュールが埋まっていることもあります。そういった場合は、自分のネットワークのなかで台本や企画書からそれに見合った施設をご紹介させていただいています。できる限り撮影のお力添えができればと思っていますので、こういった対応も有益なサービスのひとつになり得ると考えています。」
―撮影ができなくとも他の施設を紹介してもらえるとは、非常にありがたいですよね。ちなみに、予算の面での相談は可能なのでしょうか?
「もちろんです。施設の魅力をより多くの一般の方に知っていただくことが目的なので、PR・宣伝にご協力いただくことで特別に可能な場合があります。撮影隊の方にとっても、お互いに大きなメリットになると快くご協力いただいています。」
PR・宣伝の協力内容とは
―具体的にどのような協力をしていただいてますか?
「これまでの例を挙げますと、ドラマや映画作品でクレジットの表記や、出演された方のサインの施設内での展示、あとはHPやブログ等での撮影現場の写真の掲載許可になりますね。」
―そういった交渉も宮川さんがされているのですか?
「そうですね。制作の方からご提案をいただくこともありますが、私の方からタイミングを見てご相談させていただいております。
つい先日もドラマの撮影でご利用いただいたのですが、施設の魅力が非常に良く伝わる内容になっていて、私をはじめスタッフ一同感動しました! 撮影されたシーンを実際にTVなどで見ると、現場スタッフのモチベーションもあがりますし、そういった効果がもっと増えていきロケーションサービス全体が盛り上がればと思っています。」
ロケーション事業の期待と可能性
―最後にOLSとして、そして宮川さん自身の目標を教えていただけますか?
「ロケに対して“汚されたり、壊されたりするのでは?”という不安を抱かれる施設側の方も少なからずいらっしゃると思います。ですが双方が事前によく話し合い、理解し合うことでそれは防げます。私どもはそういった撮影に対するネガティブなイメージよりも、話題性がありメリットになる部分が大きいと考えていますので、世間一般としてプラス部分を広く認知させていきたいですね。
同じように感じていただける施設が増えれば増えるほど、いい環境での撮影が多くなり、映像業界も施設側も活性化していくのではないかと思っています。
そのためにもより質の高いサービスを提供できるよう頑張っていきたいですね。」
取材を終えて
他にはないような施設を提供しているわけですが、撮影隊の事情を充分に理解しニーズを汲み取った上で、ロケの専属の担当者が行うスムーズで的確な対応がリピーターを呼んでいるのだと、宮川さんのお話から感じました。
撮影時にも情報収集を欠かさないということですが、地道な努力があってこそ信頼を築き上げている、ということが伺えます。映像業界、オリックスロケーションサービス、そしてロケなび!も、ネットワークで協力していくことで業界、そして日本全体が元気になっていくよう模索していきたいですね! お忙しい中、ご協力ありがとうございました。
2009年9月15日
編集/山中純子・斎藤奨